「知り合いにストレートネックを指摘された」
「頭痛が頻繁に起こる…」
なんて思ってませんか?
スマートフォンやパソコンを使う時間が増えた現代社会。もしかするとあなたの悩みは、ストレートネックが原因かもしれません。
この記事ではストレートネックとは何か、そして簡単にできるセルフチェック方法から、今日から始められる改善・予防策まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
ストレートネックとは?

ストレートネックの特徴と定義
ストレートネックとは、首の骨(頚椎)が本来持っている緩やかなカーブを失い、まっすぐな状態になってしまった首のことを指します。通常、頚椎はS字のようなカーブを描くことで、頭の重さ(約5〜6kg)を分散して支えています。しかしストレートネックではその湾曲が失われるため、頭の重みが首や肩に直接かかりやすくなり、さまざまな不調を引き起こします。
医学的には「頚椎前弯減少症(けいついぜんわんげんしょうしょう)」とも呼ばれ、近年では「スマホ首」という言葉でも知られるようになりました。長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、現代的なライフスタイルと密接に関わっている点も特徴です。
なぜ現代人に増えているのか?

ストレートネックが増加している背景には、私たちの日常生活の大きな変化が関係しています。パソコンやスマートフォンの使用時間が長くなり、うつむき姿勢を続ける時間が圧倒的に増加しているのです。
特にスマートフォンを覗き込む際の姿勢は、首にとって非常に負担が大きいものです。頭をわずか15度傾けるだけでも首にかかる負担は約12kgに達するといわれ、30度では18kg、60度ではなんと27kgにもなります。このような不自然な姿勢を長時間続けることが、ストレートネック発症の大きな原因となっています。
また在宅ワークの普及による「自宅での不適切なデスク環境」も問題視されています。机と椅子の高さが合っていない、長時間にわたりソファやベッドで作業するなど、姿勢の悪化を招く生活習慣が、ストレートネック増加に拍車をかけているようです。
自宅でできるセルフチェック方法

ストレートネックかどうかは、自宅でも簡単に確認できます。ここではブレインスリープやメディエイドでも紹介されている代表的なチェック方法を紹介します。
壁を使った方法はとても手軽にできるセルフチェックの手段です。以下の手順に従って正確に確認しましょう。
Step1かかとと背中を壁にピタリとつけて立つ
Step2背中(特に肩甲骨周辺)が壁に触れるように姿勢を整える
Step3力を抜いた状態で「後頭部」が自然に壁につくか確認する
レベル | チェックポイント |
---|---|
軽度 | 後頭部がつきにくいが、意識すれば簡単につく |
中度 | ほとんど後頭部がつかないが、力を入れればつく |
重度 | 力を入れても、後頭部が全くつかない |
セルフチェックを行う際は、無理に正しい姿勢を作ろうとしないことが大切。普段通りのリラックスした姿勢で確認することで、より正確な状態を把握できます。
またストレートネックは症状の進行度によって見た目だけでは判断が難しいケースもあります。自己判断だけで不安が残る場合は、整形外科や専門クリニックで詳しい診断を受けると安心です。
ストレートネックの原因とは?

スマホやパソコンの長時間使用
現代人においてストレートネックが増加している最大の要因の一つは、スマートフォンやパソコンの長時間使用です。スマホを見るとき、無意識に首を前に突き出す姿勢になりがちです。この姿勢は、頸椎に本来かかるべきでない方向から過剰な負担をかけます。
特にスマホを手元で操作するときには、首が大きく前傾し、顔が画面に近づくような体勢になりがちです。同様にパソコン作業も長時間続くと、頭が前に突き出た「前傾姿勢」になりやすく、首への負担が大きくなります。
このため、日常的にスマホやパソコンを使用する時間が長い人ほど、ストレートネックになりやすい傾向があるのです。
デスクワーク時の悪い姿勢
オフィスワーカーにストレートネックが増加しているのは、長時間のデスクワーク中の姿勢にも大きな原因があります。具体的には以下のような姿勢が問題です。
- 腰が丸まって猫背になる
- 顎を突き出すような座り方
- 肘を机に置かずにタイピングする
こうした姿勢では体全体のバランスが崩れ、頭部の重みが首に集中してしまいます。本来、背骨全体で支えるはずの頭の重さを、首だけで支え続けることになるため、結果として頸椎の自然なカーブが失われ、ストレートネックが進行しやすくなります。
運動不足や筋力低下
ストレートネックは姿勢や生活習慣だけでなく、首や背中、体幹(インナーマッスル)の筋力低下とも深く関係しています。
筋力が低下すると、正しい姿勢を維持するために必要な「支え」が不足します。特に、以下の筋肉が弱くなると、ストレートネックを招きやすくなります。
- 首周りの深層筋(インナーマッスル)
- 背中の筋肉(僧帽筋や広背筋)
- 腹筋・骨盤底筋など体幹筋
現代社会では運動不足が社会問題化しており、これに伴い姿勢保持に必要な筋肉の弱化も進んでいるようです。このような背景もあり、ストレートネックが若年層にも増加傾向にあります。
ストレートネックがもたらす悪影響
肩こりや頭痛などの不調
ストレートネックになると、首だけでなく肩や背中の筋肉にも過剰な負担がかかります。その結果、慢性的な肩こりや首の痛み、背中のだるさを感じやすくなります。
さらに頸椎周辺の血流が悪化しやすくなるため、緊張型頭痛や、めまい、耳鳴りといった症状が起こることもあります。特に、デスクワーク中心の生活をしている方は、こうした不調を感じる機会が増加しているようです。
自律神経への影響
首には自律神経を司る重要な神経が集まっています。ストレートネックによって頸椎周辺の神経が圧迫されると、自律神経のバランスにも悪影響が及びます。
自律神経が乱れると、以下のような症状が現れることがあります。
- 慢性的な疲労感
- 不眠
- 動悸
- 手足の冷え
- 胃腸の不調(便秘・下痢)
このようにストレートネックは単なる「姿勢の問題」だけではなく、全身にわたる不調の引き金になる恐れがあるのです。
ストレートネック改善するための方法3選
ストレッチで首周りをほぐす
ストレートネックの改善には、首や肩周りのストレッチが効果的です。血行を促進し、凝り固まった筋肉をほぐすことで、症状の緩和が期待できます。
- 首をゆっくり左右に傾ける(各10秒ずつ)
- 首を前後に倒す(顎を軽く引きながら)
- 首を軽く回す(大きく回しすぎないよう注意)
ストレッチは、無理のない範囲で、呼吸を止めずに行うことがポイントです。朝起きたときや、デスクワークの合間など、日常に取り入れると効果的です。
日常動作を意識する
日常生活でも以下のような点を意識することでストレートネックの進行を防ぎやすくなります。
- スマホは顔の高さに持ち上げる
- パソコン画面は目線の高さに設定する
- 長時間同じ姿勢を続けない(30分に1回は立ち上がる)
- 座るときは骨盤を立て、背筋を伸ばす
普段のちょっとした姿勢の改善が、首への負担を大幅に軽減します。ぜひ意識してみてください。
枕や寝具の見直しも効果的
就寝時の姿勢もストレートネックの予防・改善には重要です。特に枕選びは大きなポイントになります。以下にストレートネックの人におすすめな枕の特徴を記載するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 頸椎の自然なカーブをサポートする
- 高すぎず低すぎない
- 仰向け寝・横向き寝のどちらにも対応できる
市販のストレートネック対策枕や、オーダーメイド枕を活用するのも一つの方法です。また、敷布団やマットレスも柔らかすぎず、適度に体を支えてくれるものを選ぶと良いでしょう。
適切なケアでストレートネックを改善しよう!
ストレートネックは、スマホやパソコンの長時間使用、悪い姿勢、運動不足など、日常生活に潜むさまざまな要因によって引き起こされています。
放置すると慢性的な肩こりや頭痛だけでなく、自律神経の乱れや深刻な頸椎疾患にもつながる恐れがあります。
しかし、日々のちょっとした意識とセルフケアによって、症状の改善や予防は十分可能です。
正しい姿勢を意識し、ストレッチや寝具の見直しを取り入れながら、健康な首と快適な生活を取り戻しましょう。

睡眠で悩んでいた社会人2年目の25歳。
自分に合った枕に出会ったのをきっかけに、睡眠の質が改善。「この経験を皆にも体感してほしい」という想いと「寝具を買う時に試せる場所がない」という自身の経験からりばていを開設。スリーププランナーの資格を取得し、専門的な視点で寝具選びのお手伝いをしています。