近年、手元のiPhoneと連携して日々の健康状態を記録できるスマートリングが急激に注目を集めています。
「Apple Watchだと睡眠時に邪魔になる」「充電が面倒」と感じているiPhoneユーザーにとって、指にはめるだけで24時間モニタリングできるこのデバイスは、まさに理想的な解決策と言えるでしょう。
しかし多種多様なモデルが登場している現在、「どれがiPhoneに完全対応しているのか」「サイズ選びで失敗しないか」といった不安の声も少なくありません。
そこでこの記事では、iPhoneユーザーが絶対に後悔しないためのスマートリングの選び方から、機能別のおすすめモデル、そして購入前に知っておくべき注意点までを徹底解説します。あなたに最適な一台を見つけ、よりスマートで健康的なライフスタイルを始めるためのガイドとしてお役立てください。
そもそもスマートリングとは?

スマートリングとは、指輪の内側に超小型の精密センサーを搭載した、指装着型のウェアラブルデバイスのことです。一見すると普通のファッションリングのように見えますが、指の皮膚を通る血流や温度などの微細な変化を読み取り、スマートフォンの専用アプリと連携することで、ユーザーの身体状態や活動データを可視化します。
これまで健康管理デバイスといえば、手首に巻くスマートウォッチが主流でした。しかし「寝ているときに時計を着けるのは窮屈」「毎日充電するのが面倒」といった課題がありました。スマートリングは、こうした不満を解消する新しい選択肢として、現在急速に普及が進んでいます。
スマートリングでできること
スマートリングの機能は大きく分けて「健康管理(ヘルスケア)」と「便利機能(決済・操作)」の2つに分類されます。モデルによって搭載されている機能が異なるため、自分の目的に合ったものを選ぶことが重要です。
健康管理・トラッキング機能の仕組み

多くのスマートリングがメインの機能としているのが、日々の体調を記録するトラッキング機能です。指の付け根には動脈が通っており、手首よりも脈波(心拍ごとの血液の流れ)を検知しやすいと言われています。このため、医療機器に近い精度での測定が期待できるモデルも登場しています。
具体的には、以下のようなデータを自動で計測・記録します。
- 睡眠の質: 睡眠時間だけでなく、「深い睡眠」「浅い睡眠」「レム睡眠」といった睡眠の深さや、途中で目が覚めた回数を記録します。これにより、自分の睡眠サイクルを客観的に把握できます。
- 心拍数・心拍変動: 1分間の心拍数や、心拍の間隔のゆらぎ(心拍変動)を計測することで、自律神経のバランスやストレス状態を推測します。
- 血中酸素ウェルネス: 血液中にどれくらいの酸素が含まれているか(酸素飽和度)を測定し、呼吸の状態や体調の変化をモニタリングします。
- 皮膚温度: 体表の温度変化を記録することで、体調不良の予兆や、女性の場合は月経周期の予測に役立てることができます。
- 活動量: 歩数や消費カロリー、運動時間を記録し、運動不足の解消をサポートします。
タッチ決済やスマートロック解錠などの便利機能

健康管理だけでなく、生活を便利にする「スマート機能」を搭載したモデルも人気を集めています。
特に注目されているのがタッチ決済機能です。リング内部にNFCチップ(近距離無線通信チップ)を搭載しており、専用のリーダーにかざすだけで支払いが完了します。財布やスマートフォンを取り出す必要がなく、ランニング中の水分補給や、荷物で手が塞がっている時の改札通過などが非常にスムーズになります。
また、自宅やオフィスの鍵をデジタル化するスマートロックと連携できるモデルもあります。この場合、リングをドアのセンサーにかざすだけで解錠できるため、鍵を探す手間から解放されます。
iPhoneユーザーが導入するメリット

iPhoneユーザーにとって、スマートリングは非常に相性の良いパートナーとなります。特にすでにApple製品のエコシステム(経済圏)を利用している方には、以下のような大きなメリットがあります。
Apple Watchなどのスマートウォッチとの違い
iPhoneユーザーの多くが利用しているApple Watchは非常に高機能ですが、唯一の弱点とも言えるのが「バッテリー持ち」と「睡眠時の装着感」です。毎日充電が必要なモデルが多く、就寝時は充電器に置いているという方も少なくありません。
一方でスマートリングは、ディスプレイを持たないため消費電力が非常に少なく、一度の充電で4日から1週間、長いものでは10日以上バッテリーが持続します。また、形状がシンプルで突起がないため、就寝時に着けたままでも邪魔になりにくく、シーツや服に引っかかる心配もありません。このため、「日中はApple Watchで通知を受け取り、夜間はスマートリングで睡眠計測を行う」という使い分けをするユーザーが増加しているようです。
iOS「ヘルスケア」アプリとのデータ連携
iPhoneには標準で「ヘルスケア」というアプリがインストールされています。多くのiPhone対応スマートリングは、このヘルスケアアプリとのデータ連携(同期)に対応しています。
これは非常に重要なポイントです。なぜなら、スマートリング専用のアプリで計測したデータを、iPhoneのヘルスケアアプリに集約できるからです。例えば、体重計や血圧計など他のデバイスで計測したデータと、スマートリングで計測した睡眠データを一つの画面で管理できるようになります。
複数のアプリを行き来することなく、自分の健康状態を総合的にチェックできる点は、iPhoneユーザーならではの利便性と言えるでしょう。
iPhoneユーザーに推奨したいスマートリング厳選モデル
ここからは、数あるスマートリングの中から、iPhoneとの連携がスムーズで、かつ機能性に優れたモデルを厳選してご紹介します。まずは日々の体調管理を重視したい方に最適な「健康管理特化型」のモデルです。
健康管理に特化した高機能モデル
SOXAI RING

SOXAI RINGは、日本の企業が開発・販売しているスマートリングです。
海外製が多いスマートリング市場において、日本人の指のサイズや生活習慣に合わせて設計されている点が最大の特徴です。
「なんか調子悪い」からの卒業。をコンセプトにしており、睡眠を中心に体調スコアで自分の健康状態を可視化するとができます。
AIがスコアに王いて体調改善のアドバイスをしてくれるので、体調を把握するだけでなく改善に繋げられるのも特徴です。また安心の国内サポートがあるのも嬉しいポイントですね。
| 価格 | 35,980円(税込) |
| 重量 | 2.5g ~ 3.2g |
| サイズ | ・12号(内周52.5mm) ・14号(内周54.4mm) ・16号(内周57mm) ・18号(内周59.5mm) ・20号(内周62.1mm) ・22号(内周63.4mm) ・24号(内周65.9mm) ・26号(内周68.5mm) |
| 主な機能 | ・体調スコア ・運動スコア ・QoLスコア ・ストレスレベル ・月経周期トラッカー |
| 互換性 | iPhone/Android対応 |
RingConn第2世代

RingConn(リンコン)Gen 2は、バッテリー持続時間の長さと、装着感の軽さで高い評価を得ているモデルです。
初代モデルからさらに進化し、世界最軽量クラスの軽さを実現しながら、一度のフル充電で最大12日間もの連続使用が可能となっています。
また装着感にもこだわりがあり、軽量かつ肌に優しい素材で長時間つけていても違和感がありません。海外製品でありながら日本語にも対応したアプリを提供しており、初めてのスマートリング利用者にも扱いやすいモデルです。
| 価格 | 52,800円(税込) |
| 重量 | 2-3g |
| サイズ | 6号~14号 |
| 主な機能 | ・睡眠モニタリング、睡眠分析 ・バイタルサインモニタリング ・活動モニタリング(心拍数、血中酸素濃度、皮膚温度、歩数など) ・ストレスモニタリング ・月経周期予測機能 など |
| 互換性 | iPhone/Android |
Monomam Ring

Monomamのスマートリングは、手に取りやすい価格帯で展開されており、スマートリングデビューを考えている方に適しています。
高価なハイエンドモデルに比べると計測できる項目の細かさはシンプルになりますが、睡眠時間や歩数、心拍数といった基本的な健康データはしっかりと計測可能です。
シンプルながらも防水性能を備えており、日常生活での水濡れを気にする必要はありません。デザインもファッション性を重視しており、アクセサリー感覚で身につけられる点が女性ユーザーからも支持されています。
| 価格 | 16,800円(税込) |
| 重量 | 約2.9g(サイズによる) |
| サイズ | ・12号(内周52mm) ・14号(内周55mm) ・16号(内周57.2mm) ・18号(内周59.5mm) ・20号(内周62.1mm) ・23号(内周65mm) ・25号(内周68mm) ・29号(内周70mm) |
| 主な機能 | ・アクティビティログ:距離/消費カロリー/ステップ数 ・運動ログ:19種類のエクササイズモード ・心拍:終日測定/心拍傾向/心拍分析/心拍記録 ・睡眠測定:睡眠分析/睡眠スコア/睡眠時心拍 ・血中酸素ウェルネス:測定/血中酸素記録 ・ストレス:ストレスの傾向/ストレスログ など |
| 互換性 | Android5.0/IOS10.0以上 |
スマートリカバリーリング

スマートリカバリーリングは、単にデータを記録するだけでなく、その日の回復力を可視化することに重点を置いたユニークな製品です。
専用アプリでは、睡眠や活動量のデータをもとに、自分のエネルギーがどれくらい回復したかをスコアで表示してくれます。さらに、AIアシスタント機能が搭載されており、「今日は少し早めに寝ましょう」「休憩を取りましょう」といった具体的なアドバイスを、ユーザーのコンディションに合わせて提案してくれます。
ただ数字を見るだけでは生活改善のアクションに繋げにくいと感じている方にとって、まるで専属のトレーナーがついているかのような体験ができるこのリングは、非常に心強い存在となるでしょう。
| 価格 | 29,800円(税込) |
| 重量 | 約3g |
| サイズ | ・US6号(内周51.9mm) ・US7号(内周54.4mm) ・US8号(内周57.0mm) ・US9号(内周59.5mm) ・US10号(内周62.1mm) ・US11号(内周64.6mm) ・US12号(内周67.2mm) ・US13号(内周69.7mm) |
| 主な機能 | ・リカバリー判定 ・睡眠計測 ・ストレスチェック ・皮膚温度計測 ・血中酸素濃度計測 など |
| 互換性 | Android/IOS |
FyRing

FyRingはMedVigilance社が展開するスマートリングで、手頃な価格ながら高精度なセンサーを搭載していることで知られています。
日本で設計された高品質でプロフェッショナルなデザインを誇り、価格的にも失敗しにくい製品と言えます。サイジングキットを使うと2,000円引きクーポンがもらえるので、サイズで失敗することが無い上にお得な購入できるスマートリングとなっています。
| 価格 | 35,200円(税込) |
| 重量 | 4.5g-6g |
| サイズ | ・6号(直径16.5mm) ・7号(内周17.4mm) ・8号(内周18.2mm) ・9号(内周19mm) ・10号(内周19.9mm) ・11号(内周20.7mm) ・12号(内周21.5mm) ・13号(内周22.3mm) |
| 主な機能 | ・睡眠分析 ・カロリー詳細チェック ・表面体温管理 ・血中酸素レベル測定 ・ストレスチェック ・歩数・運動距離測定 ・心拍データ測定 |
| 互換性 | Android 4.4以上/iOS 8.2以上 |
決済特化モデル
EVERING

EVERING(エブリング)は、キャッシュレス決済とスマートロックの解錠に特化したスマートリングです。
このリングの最大の特徴は「充電が一切不要」であることです。リング内部にバッテリーを搭載しておらず、読み取り端末からの電波を利用して通信を行う仕組みのため、充電切れの心配がありません。
Visaのタッチ決済機能だけでなく、新型モデルでは音声によるオートチャージ機能や、スマートロック「bitlock」や「セサミ」との連携機能も強化されています。
健康管理機能は搭載されていませんが、「Apple Watchの充電すら面倒」「とにかく支払いを楽にしたい」という一点突破のニーズを持つ方にとっては、これ以上ない選択肢となるでしょう。
| 価格 | 21,450円(税込)~ |
| 重量 | 約5g |
| サイズ | 4.5~13 |
| 主な機能 | ・Visaのタッチ決済 ・スマートロックの解除 |
| 互換性 | iPhone/Android |
自分に合う1台を見極める5つのポイント

スマートリングは一度購入すると毎日24時間身につけることになるデバイスです。そのため「機能」「デザイン」「装着感」のバランスが自分のライフスタイルに合致しているかが非常に重要になります。
ここでは、iPhoneユーザーが後悔しないための5つの選定ポイントを詳しく解説します。
目的・用途に合わせた機能チェック

睡眠・ストレス計測の精度重視か
「最近よく眠れない」「日中のパフォーマンスを上げたい」と考えている方は、睡眠計測やストレスモニタリングの精度が高いモデルを選ぶべきでしょう。
注目すべきは搭載されているセンサーの種類です。高機能なモデルには、心拍数センサー(PPG)、3軸加速度センサー、皮膚温度センサーなどが搭載されており、これらが複合的に働くことで、睡眠のステージ(深い・浅い・レム)や、睡眠時の呼吸の乱れなどを検知します。
またiPhoneユーザーであれば、収集したデータがApple純正のヘルスケアアプリに自動で書き出されるかどうかも確認が必要です。データが一元管理できれば、Apple Watchを使っている日とスマートリングを使っている日のデータをシームレスに繋げることができ、長期的な健康管理が容易になります。
キャッシュレス決済の利用頻度
「ランニング中に財布を持ち歩きたくない」「改札をスムーズに通りたい」というニーズが強い場合は、決済機能を搭載したモデルが有力な選択肢となります。
ただし注意が必要なのは、現在日本で販売されている多くのスマートリングは「Visaのタッチ決済」には対応していますが、「Suica」や「PASMO」などの交通系ICカード機能や「iD」「QUICPay」には対応していないケースが一般的であるという点です。
もし日常的に電車通勤でSuicaを多用しているなら、改札通過にはiPhoneやApple Watchを使用し、コンビニでの買い物にはスマートリングを使用するといった使い分けをイメージしておくと良いでしょう。
装着感とデザイン性

指輪は腕時計以上に、常に肌に密着するデバイスです。違和感なく着け続けられるかどうかが、継続利用のカギを握ります。
素材の耐久性とアレルギーへの配慮
多くのハイエンドなスマートリングでは、外装にチタン素材が採用されています。チタンは非常に軽量で強度が高く、傷がつきにくいという特性があります。また、金属アレルギーを起こしにくい素材としても知られているため、長時間肌に触れていても肌荒れのリスクを低減できます。
内側の素材には、医療用グレードの樹脂(エポキシ樹脂など)が使われていることが一般的です。つなぎ目のないシームレスな構造になっているモデルであれば、汚れが溜まりにくく、汗をかいても清潔に保ちやすいでしょう。
ファッションに馴染むデザインか
ガジェット感が強すぎるデザインは、日常のファッションやビジネスシーンで浮いてしまう可能性があります。最近ではゴールド、シルバー、ブラック、ローズゴールドなど、一般的なジュエリーと同じようなカラーバリエーションを展開するモデルが増加しているようです。
またリングの「幅」と「厚み」も重要なチェックポイントです。センサーを搭載する関係上、どうしても一般的な指輪よりは厚みが出てしまいますが、最新モデルでは2.5mm〜3mm程度の薄さを実現しているものもあります。普段アクセサリーを着け慣れていない男性などは、マットブラックやステルスブラックといった光沢を抑えたカラーを選ぶと、指元で主張しすぎず自然に馴染みます。
サイズ選びの重要性と計測キットの活用

スマートリング選びにおいて、最も失敗が多いのが「サイズ選び」です。スマートリングはサイズ調整ができないため、自分の指に完璧にフィットするものを選ばなければなりません。
一般的な指輪のサイズで購入するのは危険です。なぜなら、スマートリングの内側にはセンサーの突起があり、通常の指輪とは装着感が異なるからです。
このため、購入前には必ず各メーカーが用意しているサイジングキットを利用しましょう。多くのメーカーが、購入前にプラスチック製のサイズサンプルを郵送してくれるサービスを提供しています。実際にサンプルを指にはめて数日間過ごし、最適なサイズを確認する工程は必須と言えます。
バッテリー持続時間と充電方式

充電の頻度は使い勝手に直結する要素です。
- 充電不要タイプ: 決済機能特化型(EVERINGなど)に多く、充電の手間から完全に解放されます。
- 長時間バッテリータイプ: 5日〜1週間以上持つモデル(RingConn、Oura Ringなど)。週末に1回充電すれば良いので、ストレスが少ないでしょう。
- 充電ケース付き: 完全ワイヤレスイヤホンのように、持ち運び可能な充電ケースが付属しているモデル。旅行や出張が多い方に最適です。
独自の充電器が必要なモデルの場合、充電ケーブルを失くすと代えが効かないこともあるため、汎用的な充電スタンドが使えるか、専用ケースの使い勝手が良いかも確認しておくと安心です。
月額サブスクリプションの有無

購入時の本体価格だけでなく、ランニングコストについても考慮する必要があります。
一部の高性能モデルでは、詳細なデータ分析やアドバイス機能を利用するために、月額数百円〜千円程度のサブスクリプション契約が必要になる場合があります。「本体を買ったのに、毎月お金がかかるのは想定外だった」とならないよう、無料でどこまでの機能が使えるのかを事前にチェックしておきましょう。
一方でSOXAI RINGやRingConnのように、買い切り型で月額費用が一切かからないモデルも存在します。長期間使用することを前提とするなら、トータルコストで比較検討することが賢明です。
購入前に知っておくべき注意点

スマートリングは海外メーカーの製品が多く、購入方法や使用環境によっては思わぬトラブルに遭遇することがあります。ここでは、購入前に知っておくべきリスクと対策について解説します。
海外版や並行輸入品のリスク
Amazonや楽天などのECサイトでは、日本の正規代理店を通していない「並行輸入品」が安価で販売されていることがありますが、これにはいくつかのリスクが伴います。
日本の技適マークがない場合の問題点
スマートリングはBluetoothを使ってiPhoneと通信を行う無線機器です。日本国内で無線機器を使用するためには、「技術基準適合証明(技適マーク)」を取得している必要があります。
海外から直接輸入された製品や並行輸入品の中には、この技適マークがついていないものも存在します。技適マークのない機器を国内で使用すると電波法違反になる恐れがあるため、必ず日本国内の正規販売店や公式サイト、または「国内正規版」と明記されている商品を購入するようにしましょう。
サポート体制と言語の壁
スマートリングは精密機器であり、バッテリーの劣化やセンサーの不具合が発生する可能性もゼロではありません。並行輸入品の場合、メーカーの公式保証が受けられなかったり、修理の受付窓口が海外にしかなかったりするケースがあります。
また専用アプリが日本語に対応しておらず、英語や中国語でしか操作できない場合、詳細な健康アドバイスを理解するのが難しくなってしまいます。アプリのスクリーンショットなどを確認し、自然な日本語で表示されるか、日本の代理店によるサポート窓口があるかを確認することが重要です。
サイズ不適合による失敗を防ぐコツ
前述した通り、サイズ選びはスマートリング導入における最大のハードルです。「サイジングキットを使えば大丈夫」と思いがちですが、それでも失敗するケースがあります。その原因の多くは「指のむくみ」です。
指のむくみや季節による変化を考慮する
人間の指の太さは一日の中で大きく変化します。一般的に、朝起きた直後や運動後、飲酒後などは指がむくんで太くなりやすく、逆に寒い場所や夕方には細くなる傾向があります。
また季節によっても変化します。夏場は水分を多く摂るためむくみやすく、冬場は乾燥して指が細くなることが多いようです。このため一瞬だけサンプルをはめて「これでよし」と決めてしまうのは危険です。
試着キットでの確認期間を十分に取る
サイジングキットが届いたら、候補のサイズのサンプルリングを指にはめ、最低でも24時間は着けたまま生活してみることを強く推奨します。
- 寝ている間に圧迫感がないか
- 手を洗うときに抜け落ちそうにならないか
- パソコンのキーボードを打つときに邪魔にならないか
- 手を握ったり開いたりしたときに違和感がないか
これらを実際の生活の中で確認してください。もし「2つのサイズで迷う」という場合は、人差し指、中指、薬指など、複数の指で装着を試してみましょう。スマートリングはどの指に着けても計測精度に大きな差はないとされているため、気分や体調に合わせて装着する指を変えられるサイズを選ぶのも一つの賢い方法です。
快適なスマートライフを送るための初期設定と活用法

お気に入りのスマートリングを手に入れたら、いよいよiPhoneとの連携です。ただ指にはめるだけではなく、適切な設定を行い、収集されたデータを正しく解釈することで、スマートリングの真価を発揮させることができます。ここでは、iPhoneユーザーがつまずきやすいポイントを押さえた初期設定の流れと、データ活用のコツを解説します。
スムーズなペアリングとアプリ設定
まず最初に行うべきは、専用アプリのインストールとアカウント作成です。多くのスマートリングは、App Storeから専用アプリをダウンロードし、メールアドレスなどを登録してアカウントを作成する必要があります。
次にリング本体を充電器にセットし、iPhoneのBluetooth設定を「オン」にします。アプリの指示に従ってペアリング(接続)を行いますが、ここで最も重要なのが「ヘルスケア」アプリとの連携許可です。
セットアップの途中で、「ヘルスケアへのアクセスを許可しますか?」というポップアップが表示されるはずです。ここで「すべてのカテゴリをオン」にしておくことを強く推奨します。この設定を行うことで、スマートリングで計測した心拍数や睡眠データが、iPhoneの標準アプリであるヘルスケアに自動的に書き込まれるようになります。
収集したデータの読み解き方
数日間リングを装着して生活すると、アプリにデータが蓄積されていきます。しかし、ただグラフを眺めて「昨日はよく眠れたな」「今日は歩数が少ないな」と感想を持つだけでは、生活の質は向上しません。データは「行動を変えるための判断材料」として使うことが重要です。
睡眠スコアを改善するためのアクション
多くのアプリでは、睡眠の質を100点満点の「スコア」で表示します。もしスコアが低い日が続くようであれば、その内訳を確認してみましょう。
例えば、「深い睡眠」が不足している場合、寝る直前のスマートフォンの使用や、夕食後のカフェイン摂取が影響している可能性があります。また「途中で何度も目が覚める」というデータが出ているなら、寝室の室温調整や、寝具の見直しが必要かもしれません。
アプリによっては、「就寝時間がバラバラです」といった具体的なアドバイスをくれるものもあります。スコアが低い日は、「今夜はお酒を控えてみよう」「お風呂にゆっくり浸かってみよう」といった実験的なアクションを起こし、翌朝のスコアがどう変化するかを確認するゲーム感覚を持つと、楽しみながら睡眠改善に取り組めるでしょう。
コンディションに合わせた運動量の調整
「コンディションスコア(レディネススコア)」という機能がある場合、これは「今日のあなたの体は、どれくらい無理ができるか」を示しています。
これまでのトレーニング習慣では、「毎日5km走る」といった固定の目標を立てがちでした。しかし、スマートリングは「昨日の睡眠不足で回復が追いついていないので、今日は激しい運動を控えてください」といった提案をしてくれます。
スコアが高い日は高強度のトレーニングを行い、スコアが低い日はストレッチや軽いウォーキングに留めるといった「メリハリ」をつけることで、怪我のリスクを減らしつつ、効率的に体力を向上させることができます。自分の感覚だけに頼らず、客観的なデータに基づいてその日の過ごし方を決めることこそが、スマートリングを活用した新しい健康管理のスタイルと言えるでしょう。

睡眠で悩んでいた社会人2年目の25歳。
自分に合った枕に出会ったのをきっかけに、睡眠の質が改善。「この経験を皆にも体感してほしい」という想いと「寝具を買う時に試せる場所がない」という自身の経験からりばていを開設。スリーププランナーの資格を取得し、専門的な視点で寝具選びのお手伝いをしています。
